学園島の殺人 山口芳宏

 ジャ、ジャギって何だ...??

 真野原の孫シリーズ第二弾。前作で分冊に文句をつけたら今回は分厚く
一冊。うん。この方がいいや。一気に読んだ方が頭に入る。

 これまた大掛かりですね〜。島であることとその地形を最大限に生かし
た強烈な仕掛けはさすが。読み手は謎を解く、というよりは登場人物と一
緒になって島の中を行ったり来たりする冒険小説ノリが楽しい。殺人事件
とか学園の創設者の思惑とか、菜緒子の行動が謎すぎることとか、王女の
結婚問題とか、治験!?とか盛り沢山でとっ散らかった印象なのですが、
その分最後の収束っぷりは気持ち良く、スッキリです。

 小ネタとして「北斗の拳」が多用されているのだけれど、これ、わかる
層が薄くないか。私と同世代の男子(もちろんここに山口さんは入る)だ
けが盛り上がっていたイメージなのですが、他の世代、あるいは女子にも
人気があるの?例えばこれがガンダムだったら「知らない自分が少数派な
のだろうな」と思えるのですが、北斗の拳だといちいち「これ、何割の人
がノれるの?」と引っ掛かってしまう。

 次は今月末に出ますが、義手探偵でも孫シリーズでもない模様。楽しみ。

 星3.8個。