まっすぐ進め 石持浅海

 なーんか、もう!主人公が怖くて、引く〜〜。エスカレーターが、僕を
四階に運んでくれた。ってなんや〜!ムズムズするよ〜。エスカレーター
で四階へ行った、じゃ駄目なの?

 主人公、相当いっちゃってます。いっちゃってる人という描き方はされ
ておらず、他の登場人物から「頭がいい」「まっすぐな人間」と評価され
ているのですが、推理が強引でひとりよがりな妄想系だし(本人も「空想
の領域だ」と言ってはいる)あろうことか迷子の幼女を本人は保護してい
るつもりなのかもしれないけれど、端から見れば連れ回して、挙げ句のは
てに人を殺人者呼ばわり。凄すぎる。

 賢い謎解き役が食事中の雑談から真相へと至る日常の謎系ミステリとし
て正面から書いたのであれば、なんか失敗して違う方向に行っちゃってる
し、変な怖い人を描きたかったのであれば成功なのかもしれないけれど、
たぶんそういう主旨で書かれてはいない。

 色々なミステリがあって良いとは思うけれど、仮にもミステリの札を掲
げるのであれば探偵役の魅力は必要だよなあ。読者をドン引かせてはいけ
ない。やっぱりなかなかどうして感想を書くのに困っちゃう人なのである。
石もっちゃん...。それが石もっちゃんの魅力でもあるのだけれど。

 星2個。