めぐり会い 岸田るり子

 「ランボー・クラブ」の評価が高い岸田さん。ランボー〜、が見つけら
れなかったので本書を。

 面白かったです。あの真相は、わりとあからさまな伏線だし、思い当た
るべきなんだけど色々な罠に邪魔されてたどりつけなかった。ふたつ程私
的にはありゃりゃ。と思ったしょぼいトリックがあり(まさかいくらなん
でもアレじゃないよね、とおもったらそれがズバリだった)なんだよ〜!
と憤りかけたけれど、一晩たって冷静に思い返してみるとありゃりゃ、な
部分も物語上必要だし、なかなか良く出来ていたなあ、と感じました。

 しかしこの演歌みたいなタイトル、印象に残らない装丁、これだけでは
ミステリだなんて思わない。前知識がなかったら絶対手に取らなかった。
ミステリであることを表に出さない事が戦略(あるいはトリック)なのか
もしれないけれど、この地味さは損ではないか?読者の目に止まってナン
ボ、そこからがスタートだと思う也。

 星3.5個。