このどしゃぶりに日向小町は 鳥飼否宇

 最終的に真実が明かされた瞬間「この人誰だっけ」と思ってしまいまし
た。あ、それは私の雑な読み方が悪いのか。

 ヒウヒウとの衝撃的な出会いはかの迷作『痙攣的』でしたから本書の登
場人物一覧を読んだ瞬間興奮しました。ひぐらしもんどキターーーー!!

 巷では評判があまりよろしくない本書。作品によって作風が違い、結構
真面目にミステリしちゃったりもするヒウヒウですが、私は彼は日本では
数少ないナンセンス文学が書ける人だと期待しています。メーター振り切
れたみたいなとんでもないはちゃめちゃなものをもっと書いて欲しい。

 本作は久々にナンセンス路線発動か!?と嬉しかったのですが、モチー
フがエロと動物系残虐に行っちゃったのが難でしょうか。エロや残虐が悪
い訳ではないけれど、どうもそれほど今回効果的に使われてもいなかった
様な。

 『本格的』でエロが出て来ても、微笑ましく楽しめたのはあのトンデモ
系な教授のキャラが生きていたから、んもう、しょうがないわねえ、この
人は、という感情があったからだと思う。今回、この人にエロエロされて
もなあ、とちょっと勿体ない感じでした。

 星3.5個。