使命と魂のリミット 東野圭吾

 わ!舞台は心臓外科!最近漫画『医龍』にドはまり中なのでこの分野は
まかせて!大動脈瘤、グラフト採取、弓部全置換手術、聞かれれば図に描
いて説明出来る位理解しているぞ!麻酔はにゃにゃ〜つ!でしょ!(←荒
瀬ファンの医龍バカ)

 東野さんは多作だなあ。読んでも読んでも未読があるぞ。医療ミステリ
かと思いきや、医療はあくまでも一つの舞台装置で、社会派的な切り口で
はなく人の気持ちが描かれたヒューマンドラマになっています。

 物語は主人公夕紀の父親の死にまつわる疑念と、ある事件の二本柱。夕
紀の問題は感動的で読後感の良いものでしたが、事件の方がいまいち緊迫
感がないのが残念でした。犯人の優しい部分までも丁寧に描き過ぎて、最
終的にそんなに酷い結末にはならないんじゃないかな、という安心感がそ
こかしこにチラ見えするのです...。

 星3.6個。