≠の殺人 石崎幸二 【しら菊の猫でもわかるミステリ用語解説付き】

 ミリアとユリ、ちっちぇーな!あ、注目するところそこじゃない?

 過去に読んだ石崎作品の中では一番良いのでは?(何故疑問形)いつも
この人の作品にはイラっと来るのですが今回は会話のあとの「誰某が言っ
た」も気にならずにすらっと読めました。私が慣れたのか、石崎さんが巧
くなったのか、どっちだ!?

 行ける!大丈夫だ!と快調に読み進めましたが、終盤の謎解きがあまり
好みのジャンルではなく、大失速してしまいました。遺体の欠損の理由の
あたりで「んー、これ系かあ」って感じに。男性作家の書くコレ系には大
抵不自然さがあって苦手。とはいうものの全般的に見て、なかなか良いと
思います。すっきりしない言い方ですが、私的にはかなーり褒めてます。
次回作もおそらく読んでしまうことでしょう。

 星3.4個。

↑石崎作品で初の星3個超え

しら菊の猫でもわかるミステリ用語解説
・誰某が言った
 小説において重要なのは会話文の書き分けである。カッコ内の会話文を
誰が言ったのかを読者に示すことは難しい。作家は皆工夫を凝らしてキャ
ラそれぞれに口癖を設定したり語尾にくせをつけたり、男言葉女言葉を駆
使したりして誰が言っているのかわかりやすくする。ところが石崎氏は平
気で「~、とミリアは言った」「~、とユリは言った」を連発しちゃうも
のだから、毎回しら菊の様な素人ミステリ書評家達に「石崎は会話文の書
き分けが出来ない」と言われてしまうのである。