粘膜人間 飴村行

 第二作である『粘膜蜥蜴』でまさかの星4個超えをつけてしまった飴村
さん。デビュー作である本書も堪能しました〜〜〜。

 この人は凄いですね。類い稀なる才能だと思います。エログロ凄惨残酷
を描いてもどこかあっけらかんとしていてユーモラス。こんなホラーはは
じめてだ!この持ち味いいなあ〜〜〜。

 会話がリズミカルでとても上手いです。憲兵隊員達は普通の文章で喋る
のだけれど、河童と子供達は小気味良いテンポで喋る。ちゃんとメリハリ
が効かせてあるのですね。

 蜥蜴と同じく本書も誰が主役かわからないのが難点。章毎に祐二が主役
の様な清美が主役の様な、雷太とモモタが主役の様な。章毎の主役交代連
作短編方式であっても良いし、全員が主役の群像劇でも良いのだけれど、
今一つそのどちらにもなりきれていなくて中途半端。ここはやはり誰かき
ちんと一貫した主役を立てた方が物語の坐りが良い気がします。

 星3.9個。