甘栗と戦車とシロノワール 太田忠司

 周囲でも評判の良い甘栗少年のシリーズ二作目。甘栗少年って背が高い
のね。表紙絵のせいか小柄なかわいい感じの少年をイメージしていたよ。

 先生がどういう人なのかがわからず、なぜ彼がそんなに入れあげるのか
と不思議に思いつつ読み進めましたが、最終的には納得出来ました。でも
序盤にもうすこし先生に関するエピソードがあっても良かったかなあ、と
思います。

 現実的に考えればこんなに世間に探偵事務所は多くないし、そこに少年
が解決の主体として関わったりヤクザ相手に大立ち回りを演じるのだって
ファンタジーでしかないのだけれど、太田作品は物語の進行や登場人物の
気持ちにいつもきちんと裏付けがあって納得の出来る理由がある。だから
そらぞらしくないのだなあ、と感じました。


 それにしてもシロノワール!なんてニクい小道具を出して来るんだ、太
田さんは!名古屋に行きたくなっちゃうよ。

 星3.9個。