浮遊封館 門前典之

 あれれれ。面白さがわからなかった...。

 本作が話題になっていたのでこの作家さんに興味を持ち、『屍の命題』
『建築屍材』と読み進め、満を持して本作に!という流れだったのに『屍
の命題』の方が面白かったよ。

 蜘蛛手探偵があまり出て来ないのも間が持たない感じだし、雪密室の真
相も期待していた程ではなく。飛行機事故も宗教団体も中途半端。特に真
奈美については伏線張るだけ張って最後にさらっと結果を説明しただけ。
そこに至る経過が一番読みどころで、もっとしっかり書くべきではなかっ
たか。そこを書き飛ばしているため、肝心の宗教団体も全然どういう団体
なのか見えて来ない。人が一杯消える、ドーム状の建造物を作った団体で
す、じゃあなくてね、これこれこういう団体が人を消してそういう建造物
を作った、という納得をさせて欲しかったんです。

 著者お得意の建築ネタも今回は一番解りにくかった。肝心のドームの構
造、大きさ等がイメージ出来ず残念。

 
 星3個。