敗北への凱旋 連城三紀彦

 暗号むじゅかちぃーーーーー。^^;;

 暑いさなかややこしい謎解きを頑張って読んでハズレだと辛いのでこの
二人が薦めているのなら間違いなかんべ、というわけで綾辻・有栖川復刊
セレクションから。昨年『造花の蜜』でメロドラマじゃなくてミステリを
書く人だったんだ!と勘違いに気付いた連城作品をチョイス。

 難しいけれど美しい暗号に完敗そして乾杯。夾竹桃の降ってくる怖くも
美しい情景と全編に流れる音楽、登場人物のつける香水の香り、黄砂の煙
たさ、戦争の狂気、色々なモチーフが重層的に構築する世界の芯には考え
抜かれた暗号と真相。レベル高し。やっぱり私は学園モノとか身近な世界
を描いた小説よりもこういう自分とはかけ離れた世界を感じさせてくれる
ものが好きだなー。時代も昭和が好きだなー。
 
 米澤穂信の解説もさすが。私が言いたかったこともそれ以上のことも全
部すっきり纏めてくれているので自分が感想文を書く意味を見失いました。
穂信先生にも完敗。

 星3.8個。