念写探偵 加賀美鏡介 楠木誠一郎

 むー。やりたかったことも解るし決して悪くないんだけど物足りない。

 中古カメラ屋の主が探偵、ゴスロリな女助手、作家の語り手、みんなど
こかで見た様なキーワードなんだよねえ。私は類型的お決まり型は決して
嫌いじゃないので序盤はわくわくしたんだけど、結局それらの多くのミス
テリの中であえてこれを読め!っていう光る何かが見つけられなかった。

 軽い文体で隙間時間読書派でも二日かからないで読めてしまう厚さでは
歴史もカメラも蘊蓄が中途半端。歴史蘊蓄で読ませるなら京極堂位の分量
高田崇史位の掘り下げ方広げ方が欲しいし、ライトに行くなら蘊蓄じゃ
なくてトリックとかキャラとか他の要素を主軸に据えないと厳しいのでは。
せっかく面白くなりそうな利休ネタだったのに勿体なく感じました。

 星2.8個。