新世界崩壊 倉阪鬼一郎

 ぐふはっ。

 毎度のことながらむせてしまいました。バカミス界の小林幸子(←ご本
人がそう言うてる)鬼才倉阪が放つ恒例のパフォーマンス。

 いやあ~、わかってて目を皿の様にして隅から隅まで細かく読んだつも
りだったんですが、見抜けないもんですねえ。

 白鳥よりも不自然さが目立ちます。白鳥は種明かし部分の直前までは普
通に読めたのですが、本書はもう最初っから何が何だか、全般的に変!一
応物語の流れはあるものの、文章は明らかに何だかおかしいし、字下げも
気になるし、二段組みの上下で物語が別の進行をするし、ああ、もう読ん
でてイラっとする!背中がムズムズしっぱなし。

 でも、終わってみれば大満足。このB級感とそれに込めた細かいネタ。
脱力感。くだらなさ。そうそうこれを求めていたのよ、という。ただやっ
ぱりこちらよりも自然に読めたという点で白鳥の方が良く出来ていたと思
います。

 星3.7個。