短劇 坂木司

 坂木さんの短編集。ここまで一つ一つが短いとショートショート集って言うの
かな。

 面白い!これは良かったです。坂木さんといえばハートウォーミングな優しい
物語を書く人というイメージ。私は生来後味が悪かったり毒があったりする物語
が好きなので坂木作品は図書館で開架にあれば読むけれど購入したり予約して借
りたりする程ではないなあ、という位置づけでした。

 本作はなんと、黒坂木とも言うべきか。ダークでブラックで背筋がゾクっとし
たりクスリと笑える(蘭子にあらず)掌編達のオンパレード。坂木さんこういう
色も持ってたんだ。ていうか何か溜まってた?笑。いくつかピンと来ないものも
あったけど、これだけ数あればこの位は仕方ないかと思える程度。

 『秘祭』が面白かった。「これ嫌だあああ!」と叫びそうになりました。

 星3.8個。