掏摸 中村文則

 初読の作家さんです。このミスだったか本ミスだったか、年末のミステリラン
キング本で気になったので手に取ったのですが、あんまりミステリではなかった
なー。

 犯罪小説の体裁をとっていながら、かつ文体も翻訳もののハードボイルド系を
狙っていそうな、ちょっと人情噺の様なウエットな面もあり。なんというか、男
性ってこういうの好きだよねー、という系。面白いのだけれど私はその哀しい空
気感が肌に合わなくてさほどのめり込めず。でもあの難しいすり替えが成功する
のか否かはハラハラしたし面白かった。中村氏の他の作品にも興味がわきました。
読んでみます。

 星3.6個。