花散らしの雨 みをつくし料理帖 高田郁

 いつも料理に萌えたり格好良い男性キャラに萌えたりしていたこのシリーズ。
今作は澪の小松原さまへの想いにスポットが当たっていて、きゅんきゅん切なく
なりまくり!高田さんは本当に巧い!やられたよ!

 本書の一話目でいよいよふき坊が登場します。ふき坊はとても重要な人物。今
まで大人達に囲まれて守られていた澪が年下のふきと接することで守ることを知
り、大人になってゆくのです。ふき坊は齢十三ながら両親を亡くして弟とともに
苦労してきている。そんなふき登場の章の料理は『ほろにが蕗ご飯』だもの。タ
イトル見ただけで泣けてきちゃうわ。人生甘いばかりじゃないのよ。蕗はほろに
がいからこそ旨いのよっ!うん、でも、大丈夫。きっとふき坊は幸せになる!お
ばちゃん信じてる!(すっかり長屋の隣人気分)

 味醂の話がとても印象深い。美味しい味醂はリキュールとして飲めるという。
そして味醂の搾り粕はこぼれ梅と言って、酒粕より旨いらしい。こぼれ梅食べて
みたいなー。よし、味醂醸そう!

 忍び瓜、これは似た様なものをうちでも作ります。小学校の給食でもよく出た
なあ。華風きゅうりという名前でした。

 星4.2個。