まろうどエマノン 梶尾真治

 ほんのり良い話だった...。じーん。 

 バタ臭いファンタジーかと勝手に想像していましたが、舞台は日本の田舎で物
語も和風でした。地球に生命が発生してから現在までのことを総て記憶している
というエマノン山下和美の『不思議な少年』みたいな存在なのかな。これ一作
では壮大そうなエマノンを巡る物語の全容は掴めませんが。そもそも『不思議な
少年』も途中までしか読んでおらずよくわかっておりませんが。

 全容は見えなくても本作単体で充分完結した物語として楽しめます。感動が良
質。感動シロヨ、オイ、ゴルァ!と押し付けがましくないところが気に入りまし
た。ミステリにすれた大人が読めばあの子の正体なんて瞬時に解っちゃうけれど
それでも興味を削がれることなく楽しみながら読めます。小学校中学年位で読み
たかったな、これ。

 星3.7個。