モップの精と二匹のアルマジロ 近藤史恵

私の短編苦手意識を払拭してくれたお掃除キリコシリーズ。と思ったら今回は
長編でした。うまいこと自分の掃除モチベが高まりつつある時に予約が回って
来たぞ。よし、これ読んで私も掃除頑張ろっ!

長編ならではの切ない余韻が良かった!短編だと深く感情移入する前に一話終
わっちゃうのでこういう情感を盛り込むことは難しいものね。最後にわかるタ
イトルの意味が深くてしみじみしました。

うーん、どうも私、大介の魅力がイマイチわかりません。肝心な所で「それは
キリコが決めることだから」って言って自分の思いを相手に伝えない。私は
「最終的にはキリコが決めることだけど自分はこう思う」って言ってくれる人
の方が好きだ。でも見守りタイプの大介だからこそ友也にこれだけ信頼された
のでしょうね。キリコ自身の魅力も1~2作目までの方が良く出ていたと思い
ます。結婚してからのキリコはいまいち精彩を欠いている。もし本書から入っ
ていたら今程キリコにハマれたか疑問。

本書で面白かったのは奥さんになったキリコの料理。特に弁当メニューは真似
したい。近藤さんとは舌の感覚が合う様な気がしているので料理描写は大歓迎。

星3.7個。

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