虚構推理 城平京

先日読んでとても気に入った『名探偵に薔薇を』とは随分おもむきが違いました
が楽しめました。

真実である怪異を虚構でひっくり返すことが出来るのか。その命題がパラドック
スというかアンビバレンツというか、面白い。その着想を上手く料理しきれてい
るかというと若干微妙。ネットの掲示板を使って物語が動いて行くのはなかなか
難しいね。物語のうねりとかダイナミズムが出しにくく小さく纏まってしまいが
ちなのだ。本書もその点に充分留意した上で九郎と鋼人七瀬の戦いをクライマッ
クスに持って来たと思うのだけれど、ちょっと物足りなかった。

終盤のたたみかける虚構推理は良いのだけれどそこまでが冗長で挫折しそう。虚
構攻撃が面白いので、あの人が殺される所までをスピーディーに展開していっそ
後半全部位の分量をどかんととって虚構攻撃と九郎と鋼人七瀬の戦いに割いても
良かったと思う。虚構が岩永の攻撃じゃなくて合戦になるくらい相手方や一般参
加者の反対意見がモリモリ出て来て四転五転くらいしても面白いのでは。

星3.7個。

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