死を騙る男 インガー・アッシュ・ウルフ

これは渋いな~。

本書は色々な読み方が出来ると思うんです。犯罪主眼で読むならサイコキラー
系だし、警察小説としても読めるし、犯人をどうやってあぶり出すか、ってい
う駆け引きも面白い。でも、私にはキャラものとして楽しめました。

なんと主人公がヘルニアを抱えた61歳の女性警部補。日本って小説でもファッ
ションでも何でも若者礼賛の国だと私は思っていて、国産ミステリももう大抵
主人公、探偵ともども自分より年下です。下手すりゃ主人公の親すら自分より
若かったりする。主役と自分の年齢が離れてゆくほど当然客観的に外側から見
ることは出来ても入り込んで感情移入はしづらくなる。もう昔みたいにドキド
キわくわくハラハラな読書体験は今後どんどん出来なくなるのかな、と思って
いた。

でも!外国にはあるんですね~!おばちゃん主役の小説が!そうだよね、マー
プルは当然好きだしドロシー・ギルマンのおばちゃまシリーズだって素敵じゃ
ないか。若さからくるきらめきはなくともドラマの主人公としては年配者は深
いですよ。親の介護や自分の身体の不調、部下を纏める苦労、若者よりもずっ
と苦難が多くてドラマチックじゃないか!地味だけど!

最近職場でもどこでも周囲に年下の比率が増えてきて、自分がものすごく年寄
りだという気がしていたけれど、本書を読んだら何を!まだまだ!と元気が出
ました。

星3.7個。

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今リンク張ってて気付いたけど、
これ文庫なのに1300円もするんだ!たっか!






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