禁断のパンダ 拓未司

いやー!面白かった!満足!『虹色の皿』で撤退しなくてよかったー!

ミステリだと思って読んだらミステリではなかった『虹色の皿』。この人のミス
テリを読みたかったので本書を手に取ったけれど事件が起こらぬまま第一章終了。
まさかこれもミステリではない?と心配になったところで殺人事件が起きてホッ
としました。^^;

表紙のイラストもかわいいし、先日読んだ『虹色~』も全然殺伐としていなかっ
たのでまったり読み進めていたのですが後半のとてもじゃないけれどのほのんと
はしていられない展開はブラックな小説好きの私には嬉しい驚き。最後のオチが
この手の小説ではとてもポピュラーかつベタなもので若干苦笑いではあるけれど
満足しました。

ビストロコウタの料理が美味しそう。読んでいると脳内で賀茂茄子が、鴨が、平
目のムースが、アンディーブのパスタが、蛸が、踊ります。料理業界出身の著者
が業界を描きたかったのが第一だとは思いますが、事件がたまたま料理人の周囲
で起こるというだけじゃなくて謎もきちんと料理にからめてあるのが良かった。
舞台がこの土地であったことにも大きな意味があったんだね。最初はなんで?と
思ったタイトルも終わってみればすごくいいわー!

青山の捜査の進め方が疑問でした。この人ねー。結果推理が当たったから良かっ
たけどはずれたら単なるスタンドプレイの困ったちゃんなんだよなー。私がこの
人の上司だったらこういう部下きっついわ。読者にそう感じさせてしまうのは青
山をきちんと愛せるキャラに描き切れていないからだと思います。

星3.9個。

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