追憶のカシュガル 進々堂世界一周 島田荘司

うおおおおー。いいなあ、いいもの読んだー。

放浪の旅を終えたばかりの大学生御手洗。京都の美しい彼岸花や桜をバックに、
旅で見た日本に縁のある物語と光景を進々堂という喫茶店で出会った浪人生サト
ルに向けて語ります。

淡々と語られる美しくも哀しい物語とその語り口が叙情的で枯れていて御手洗が
学生とは思えない。大好きな探偵が謎解きをせず語りべに徹するので、途中まで
は謎を解かないなら別に御手洗でなくってもとか本を売るために御手洗出した?
と思うのですが、最終話を読んでいて、やはりこれは御手洗じゃないと駄目だな
あと気付きました。描かれる人間も物語も御手洗の目を通して見たものに相違な
く、根底に流れるのはあくまで御手洗の世界観。ミタライアン必読の書でありま
しょう。

御手洗シリーズはファンタジーではないので御手洗は彼が生きた時代のものしか
見られないし語れないけれど、たとえば仮に彼が山下和美の『不思議な少年』の
様な存在で、時空を超えて様々な時代に存在出来、その目を通して見たもの、歴
史を語ってくれたらどんなにか豊かで面白い読み物が出来るだろうと想像してし
まいました。

星4.1個。

http://www.geocities.jp/kikyosyobo/twittersmall.jpg
←フォロー歓迎♪ツイッター



http://www.geocities.jp/kikyosyobo/matersmall.jpg
←お気に入り歓迎♪読書メーター





←クリック歓迎♪ブログ村