しら菊的ミステリアワード2011

今年もまたこの季節がやって参りました

昨年末に来年はもっと読むぞって言ったのに後半びっくりするくらい読まなかっ
た。それもこれもあのアニメにハマったせいなんですけど...。

殿堂入り
開かせていただき光栄です 皆川博子
まずは殿堂入りの皆川博子大先生。素晴らしかったです。期待しすぎるくらい期
待して読んだのに期待を上回る満足を与えてくれました。面白くて、美しくて、
クールで、皆川さんにノーベル文学賞をあげたい!



一位 カブキの日 小林恭二
衝撃でした。歌舞伎小説は沢山あるけれど、その全てが現代か昔の話。歌舞伎を
モチーフにしながらファンタジックで未来的な味付けをしたというこの新しさ!
非凡の才。描かれる劇場も画的に美しくて是非映像化して欲しい作品です。

二位 天帝のあまかける墓姫 古野まほろ
振り返ってみると今年はまほろの新刊が三冊も読めた幸せな年だったんだな。イ
エ先輩も二条さんもいいんだけどね、私は天帝が!まほろが!栄子が好きなんだ
よ!ということで。

三位 メルカトルかく語りき 麻耶雄嵩

メルカトルって今まで濃いものが多かった印象なのですが、本書のこのいい感じ
の肩の力の抜け具合。そしてこういうノリでもメルはちゃんとメルで、キャラク
タの骨格がしっかりしているとブレないなあ、と感じました。

四位 11 eleven 津原泰水
ミステリや娯楽系小説ばかり読んでいて忘れていたあの感じ。文学の風が一瞬胸
の中を通り過ぎていった。久しぶりに味わった感覚でした。

五位 みをつくし料理帖シリーズ 高田郁
これは一話完結の体裁を取っているけれど、お話自体は続き物なのでシリーズま
とめての評価。物語を、トリックを楽しむのとまた違う『登場人物に感情移入し
て読む』ことの面白さを存分に味合わせてくれる作品。小説って浸れてナンボだ
よな!とこのシリーズを読むと基本のキに立ち返ります。

六位 ヴォイド・シェイパ 森博嗣
最近露出の少ない森博嗣。久々の森文体は静謐でとても心地よかった。それほど
センセーショナルな展開はなくどちらかといえば静かな物語ですが、主人公が旅
した色々な情景が心に残っています。

七位 命に三つの鐘が鳴る 古野まほろ
天帝シリーズのスピンオフ、二条さんの物語。天帝シリーズは私は完全にキャラ
読みなのですが、これはキャラ的な部分よりもミステリ的に満足した作品。面白
かった。

八位 名探偵に薔薇を 城平京
これ、皆さん読まれてます?あまり周囲で話題にもなってないし、私が感想書い
ても反応薄だったんだけど、良かったですよ。おすすめ。


九位 追憶のカシュガル 進々堂世界一周 島田荘司
御手洗ファン必読の良書。でも本心としては殺人事件が起こる分厚いこれぞ御手
洗本領発揮!なのをそろそろ読みたい。

十位 桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活 奥泉光
ドラマになるんですってね(笑)たまげた(笑)


冊数が少なかった割に面白かったものは結構あったなという印象です。MVPはや
はり三冊新刊が読めた古野まほろ。そして年齢を感じさせない瑞々しい感性の皆
川博子大先生に乾杯!

みなさま本年もありがとうございました!来年もよろしくお願いします!

しら菊

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