光媒の花 道尾秀介

ああー、良かった。これは良かったです。どうも皆さんが褒めている割に自分は
ノレなくて新刊が出ても暫くスルーしていた道尾秀介。読み易くてちょっとした
空き時間にも入って行ける間口の広さがありながら読了時にはしっかりと何かが
心に残る。私が放置している間に今までひっかかっていたエグみというか嫌みな
部分が抜けた様な気がします。

一話目を読み始めた時は恒川君の様な路線を狙ったのかな?と感じたけれど、読
み進むにつれ道尾秀介らしさが出て来て、ちゃんと読者の期待に応えてくれてい
るのだなあ、と思いました。

それぞれの物語が物哀しく、単独でも印象に残るものでありつつ通して読むと著
者得意の仕掛けが楽しめて...、満足しました。スルーしてた作品もぼちぼち読ん
でいこうかな。

星3.8個。


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