人間の尊厳と八〇〇メートル 深水黎一郎

ごめんなさい。デビュー作のウルチモ・トルッコ読んだ時は一発で終わりそうだ
なって思ってました。私が間違ってましたごめんなさいごめんなさい。

最近ではすっかりと「新刊はどれも間違いなく面白い」作家さんランクに私の中
で昇格した深水さん。何が好きかと問われればやはりシリーズ名探偵が登場する
芸術モノの長編なんですが、中編や短編も良いんですよね。キレがあって毎回う
うーむ、やられた、とうなってしまいます。

収録作はバラエティに富んでいて、色々なものが書ける人なのだなあ、と思いま
した。やはり表題作が良いです。舞台はバーから動かず会話で読ませる。これヘ
タな人がやるとほんとつまらないんですがさすが深水さん。会話が説明的だった
り筋立てのための不自然な会話にはなったりはしておらず自然だしオチも良かっ
た。

「北欧二題」も好き。日常の謎系の洒落た掌編。著者のこだわりであるカタカナ
を使わないという試みもこの程度の分量ならそんなに読むのが辛くはないです。

「特別警戒態勢」と「完全犯罪~」はオチが見えたので凡庸かな、と思ったので
すが著者あとがきに「特別~」はフーダニットの体裁をとったホワイダニット
とあり、なるほどー!と思いました。犯人当てただけで先が読めたとは軽卒なこ
とを思いましたすいませんすいません。(今回あやまってばかり)

「蜜月旅行~」はミステリっぽくないドラマ仕立ての一作なのですが、ある意味
「他人」という存在が一番わからないしミステリなんだよだな~。と感じさせて
くれる良作。

どれも大変満足しました。星4個。



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