少女不十分 西尾維新

鮮烈だったデビュー作含む戯言シリーズ、JDCトリビュート、人間シリーズ
それぞれ数冊ずつというファンと言えるのかどうか中途半端な冊数しか読んで
いないけれどファンだと言い張ります。言い張りますよ!

今まで私にとっての西尾作品って「よし、今から西尾維新読むぞ」と頭を維新
モードに切り替えないと読めないものでした。併読派で色々な作家のものを何
冊か並行して読む私ですが西尾維新はモード切替方式のためそういう器用なこ
とがしずらかった。でも、本書は初めて切り替えなしに普段のモードでさくっ
と読めた。良くも悪くもアクが薄まったということでしょうか。西尾維新も大
人になった?

少女に監禁されてしまう大学生の物語。力の差も知能の差もそれなりにあるの
で逃げようとすればたぶん逃げられるのですがそれをせずに不思議な少女の内
面に少しずつ踏み込んでゆく主人公。

そこで描かれる「作家志望の大学生である僕だからできること」は西尾維新
小説論、物語論を投影していると思われてとても興味深い。「物語」の根源っ
てこういうところだよな、というのは商業作家として一定の部数売り上げるも
のを10年以上生み出し続けてきた人が書くと説得力がある。他者に伝わる、届
くってどういうことなのか、とか。ちょっと考えさせられました。

星3.9個。

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