殺人の門 東野圭吾

 イライラするーっ!何回も倉持に騙される主人公。いいかげん気
付けよ!その女だって倉持と関係があるに決まってるでしょ!!!
って読者はみーんな思ってるのではないかと思うけれど、ここでさっ
さと倉持に見切りをつけたりあるいは「門」をくぐったりしてしま
う主人公なら物語にはなりませんね。ダメダメな主人公にイラーッ!
としたい人はどうぞ。

 主人公より倉持という人物の方が面白い。第三者から語られる倉
持の気持ちは、倉持本人の口から聞きたかったなあ。

 本書は書き下ろしじゃなくて連載だったんですね。いかにもそん
な感じです。定期的に山場がやって来ます。

 いろいろ文句も言いましたがやっぱり東野圭吾は読み易い。二段
組で厚いけどあっという間。東野圭吾だと思うからついつい期待も
あって点を辛くつけてしまうけれど、案外同じ物を別の人が書いて
いたらもう少し高得点をつけてしまったかもね。

 星2.5。