最後の記憶 綾辻行人

 若年痴呆を患う母。息子のことすらわからなくなってしまった母
を今なお苦しめる幼い頃の記憶。彼女の恐怖の正体は何なのか。森
吾は痴呆症は遺伝性のものかもしれないと危惧しつつ母の故郷へと
旅立つ...。

 いいですねー。ミステリの様でもありなおかつ幻想小説やホラー
の味わいもある。「本格推理」とか「どっから見てもホラー」なも
のを求める人にはどちらつかずなのかもしれませんが、わたしはこ
の、本作の「どこに着地するのか読んでる間全くわからない所在の
あやふやさ」がとてもミステリアスで面白かったです。

 星4個。