氷菓 米澤穂信

 ああ〜、こういうことだったのか〜!例によってシリーズものの三作目
を先日いきなり読んでしまい、遡って初作を読みました。

 三作目では古典部の文集がストーリーの大きな柱となっていましたが、
順番に読んでいれば、文集「氷菓」の成り立ちなんかを知っているので三
作目ももっと楽しめたってぇ寸法です。みなさん、シリーズもののご利用
は計画的に。

 デビュー作ということで、拙い部分もあり。推理者ホータローが真相に
気付く理由付けが弱いので、「なんとなく閃いた」的な推理になっていま
す。ここは閃くためのキーやエピソードを示して読者を引込んで欲しい所
です。

 でもね〜!そんな欠点とを補って余り有る良さがありますよ!キャラク
ター達はきちんと性格付けをされて動いているので魅力的だし、30年前の
謎も興味深いです。殺人事件ではない「日常の謎」系って下手すると「別
にどうでも良いんですけど..。」となってしまう危険性がありますが、本
書の謎は真相を知りたいと思わせる吸引力のある謎です。この千反田のお
じさんはここで終わりかしら。実は生きてたりするのかな。

 星3.7個。(←穂信に甘いしら菊評価ですので...。あくまでも。)