ホテルジューシー 坂木司

 夏にぴったり!オキナワ〜ン!な一冊。テビチでジューシーでソーキそ
ばでタコライスでした。(なんやそれ。)

 主人公のヒロが沖縄で感じる苛立ちや戸惑い、行き詰り、珍しくちょっ
と悪い人が出て来る、等のスパイスが効いているので、隠し味がなく甘っ
たるいだけに感じてしまった姉妹作の「シンデレラ・ティース」よりずっ
と良い出来だと思いました。

 脇役が皆さん良いですね〜。オーナー代理、二人のおばあ、料理人の比
嘉さん。みんなとてもおおらかで魅力的だ。そうそう!沖縄ってこういう
ノリだよね〜!二人のおばあに私もいじられたいス。

 熱血主人公にはいまひとつ共感出来ませんでした。何故そこに首を突っ
込むのか、が理解できない面が多くて。首を突っ込まなきゃ物語にならな
いから仕方ないですけどね〜。

 今までず〜〜〜っと坂木さんを男性だと思っていましたが、本書を読ん
でいてふと女性か?と思いました。かつて書店でみかけたサイン入りPOP
は男性の筆跡の様に思えたがな〜。女性が書いてると思ったらスルスルと
今までひっかかってた「なんで彼がここでこういう言動?」みたいな部分
が腑に落ちたような..。私の予想する坂木さん→ハロワ職員か大学の就職
課あたりで働いている女性...。

 星3.4個。