復讐者の棺 石崎幸二

 わはははは。

 やめとこうと思ったのにまた手に取っちゃった。鬼門石崎。石モッチー
といい、どうも石の付く名前の作家さんとは相性が悪いわ。ハイ、ちょっ
とごめんなさいヨー、道をあけてネー。毒舌書評家くろ菊婆さんが通りま
すよー。(毒舌書評が苦手な方とイシザキファンはご退場下さい)















 連続殺人でどんどん人が死にます。通常シリーズモノのミステリだとそ
ういう毎度似た様な展開をキャラ萌え要素や会話の面白さで繋いでゆくの
ですが、そこはそれ。イッシーだもの。会話つまんねえ...。うん、もうわ
かったよ。一人殺されて一人失踪するんでしょ。そこだけ教えてくれれば
いいっす。という気分に。

 相変わらず会話文が不自然。物語の展開に必要な説明をキャラクタに等
分に割り振ってるだけなんだよな〜。人格的裏づけがない。んなもんだか
ら会話がト書きみたいで面白くないし読み分けにくく、「会話文」のあと
に必ず誰某が誰某に向かって言った。みたいな「誰が言ったかの説明」が
つく。描写が少なく多量の会話で展開するイッシー文学においてこの説明
の回数は膨大。これがウザい。

 その会話をがんばって読んだ末に辿り着く謎解き。DNA鑑定がどうとか
ややこしいことユリアだかミリアだか石崎君だかがわーわー言ってますが
ノレてない読者を置き去りにして細かいネタをごちゃごちゃいじくりまわ
してる自己満足な印象。犯人もそれほど意外でもないしなあ。

 このつまらなさ、狙ってやってるんだとしたらある意味すごい。

 んでもね〜、きっとまた手に取ってしまうんだな。げに恐ろしき石のつ
く作家マジック。読んで文句言う位なら読まなきゃいーのに、と思うんだ
けどね。そうこう言っているうちに、石持っちゃんのことは「もしかした
ら好きなの?」と自分が混乱するところまで来てるので、そのうち石崎萌
え〜、とか言いだすかも!?くろ菊こそ出なかったけれど、一冊読んだき
りその後食指が動かない作家さんもいっぱいいるんだよ。何故に、毎回け
なしていながら石崎、読んでしまうのか...。

 星1.5個(最後まで読まされちゃったことに星進呈)