長く短い呪文 石崎幸二

 本編より前フリの方が面白かったです。呪いの孤島へ登場人物達
が行く前にミステリィ研究会の面々が歴史の勉強をするシーンが笑
えました。「日本で最初の叙述トリック」とか「館もののはじまり」
とか。
 
 私が普段お邪魔しているいくつかの書評ブログではあまり評判の
良くない著者ですが、私の感想は「そんなに悪くもないんじゃない
の?」という感じ。まあ私は結構な量を読むからその中にこの人の
が一冊くらいあってもいいかと思うけど、確かにひと月に3〜4冊し
か読まない人にわざわざこれを選べとは言わないかな。
 
 しかしこの犯人は禁じ手だよなあ..。しかも呪いの真相もいま
いちだしなあ...。いや、呪いの着想自体は悪くないんだけど動
機付けが弱いのかなあ...。

 星2個。