十二月 歌舞伎座 昼の部 その一

「八重桐郭噺」
 もっと大人の、ベテランの役者さんがやる役というイメージが
あったので菊之助があの八重桐!?と配役を聞いて驚きました。

 何度もしつこい位言っていますが、ここ一年の菊之助の成長は凄い。
八重桐も全く無理がなかったです。お姫様とか傾城とか、言い方は悪
いけれど可愛さや美しさだけで乗り切れてしまう飾り的な役とは訳が
違います。踊りで語りでいっぱい芝居をし伝えなければならない役。
本当に菊之助は腕を上げました。言いたい事がこちらにぎゅっと伝
わって来る芝居であり、踊りでしたよ。横で観ている松也にとっても
良い勉強になったことでしょう。

「忍夜恋曲者」
 うおおーー。いいすなあ。いいすよお。歌舞伎はこうじゃなきゃ。
大掛かりな仕掛け。怪しい女形時蔵にイキの良い若手立ち役松緑。以
前観た雀右衛門團十郎バージョンよりは弱いけど、今後に期待の
コンビです。時蔵さんは妖艶な魅力があるので滝夜叉姫良いですねえ。
松緑もいいと思います。なんか最近彼は色々と押さえ気味ですが、光
圀はもっとガツンと行っちゃっても良さそうよ。また何年か後に同じ
コンビで今よりバージョンアップしたのを観たいなあ。