五月歌舞伎座昼の部 その2

イメージ 1

「弥栄芝居賑」
 さすが勘三郎。心にくい演出です。同じ場所で三ヶ月も続く襲名
興行。今月は前の二月(ふたつき)とは趣向を変えて芝居仕立ての
口上です。
 
 中村屋襲名興行開演前の中村座。駆け付けた客達が名乗りを上げ、
祝辞を述べます。本舞台には中村屋一門。両花道に当月出演する俳
優達がずらり勢ぞろい。本花道に立ち役、上手側の仮花道に女形
観客は右見て左見て、大忙しです。瞬きする暇もありません。
 
 ずらりと並んだ横顔を見ていて一番強烈だったのが海老蔵の横顔
の美しさ。前から見てももちろん美しい人ですが横顔はもうナマモ
ノとは思えません。ギリシャの彫刻のようです。助六や他の演目で
も横顔の美しさは堪能できますが、今回はたまたま横顔がファニー
な松録と獅童にはさまれたのでよけい際立ちました。横顔と言えば
もう一つ。亀治郎アゴの今後が心配。おねがいだから太らないで
ね。男女蔵みたいな二重アゴにならないでね~。(男女蔵も好きな
んですよ。でもあのアゴはちょっと・・・)と切に切に願います。

「髪結新三」
 真冬の三人吉三みたいに初夏の髪結新三。季節ものなんですね。
私は新三というと菊五郎の印象が強かったのですが勘三郎新三は菊
五郎新三より軽妙洒脱。色気は菊五郎の方があるけれど。
 
 染五郎の勝奴が良かったです。出過ぎずうまく新三をたてていた。
上手な俳優さんってオーラを強くも弱くも調節出来るんですよ。玉
三郎なんか、若手を立てなきゃいけない演目では本当に上手に自分
のオーラを減らすんですね。絶妙の匙加減で。染五郎もそういう事
ができる様になったんだなあ、と。

ーー総評ーー
 演目、配役、良い組み合わせの四幕でした。勘三郎のプロデュー
サーとしての手腕を感じます。歌舞伎初心者にも良いですね。四月
五月と観て、本当に三月に観られなかった(チケットが取れなかっ
た)ことが悔やまれます。

 さて、今夜は鰹できりりと冷えたお酒といきたいところです。と
っておきのお酒開けちゃいましょうか!鰹だ鰹!