連続殺人鬼カエル男 中山七里

痛い!いだいいだいいだい痛いよう~~~!!!(←読めばわかる)

町内を震撼とさせた連続殺人鬼カエル男。凄惨な事件に近隣住民のパニック、警
察の関係者への思い入れ。これでもかと畳み掛けて来る真相、思い起こせば親切
に提示されていたヒント。熱い犯人と警察の攻防戦。上手い上手い。面白かった。
お腹いっぱいになりました。ごちそうさまー。

ラフマニノフを読んだ時にも感じたのだけれど、この人は乗って来るとするする
筆が滑ってどんどん書いちゃう気があると思う。作者はノリノリでも読者がノレ
ていないと白けてしまうのでそのギリギリの線を見誤らないで欲しい。今の所ラ
フマニノフも本書もギリだけどほんと微妙なところ。

どんでんどんでん返しが本書の楽しみだし売りでもあるのだけれど、いまどき日
本でミステリの賞を獲るにはここまでトゥーマッチに盛り込まなければいけない
のか、と思いました。ミステリの世界が成熟しきっていない頃だったらここまで
コテコテにしなくてもいけたと思うのだけれど。本書に限らず最近ひねり過ぎな
ものが増えている気がして。ワントリックでスパッと驚かせてくれる粋なミステ
リはもう時代的に無理なのかなー。

星3.8個。

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